2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

赤毛のアン

カナダの人は家庭を大事にする、と聞いたことがある。それが赤毛のアンにも表れているのか、あるいは赤毛のアンの生き方がカナダの人々に家庭を大切にする生き方を理想と思わせるのかはわからないけども。 アンもマリラもマシュウもダイアナの伯母さんも、こ…

WALKING IN THE RHYTHM

佐藤さんが忌野清志郎が好きだったというのが男達の別れでのこの曲の唄い方から感じられる気がする。このライブの頃はメンバーが脱退することが決まっていて精神的に辛かったのでは。亡くなる三か月前のライブで、年齢的にも、いつまでも自分が大人になれな…

竜が最後に帰る場所

恒川さんの短編集。恒川さんの本が素晴らしく良いかというとそこまで素晴らしくはないかもしれないけれど、相変わらず読みやすく刺激的だった。夜行の冬はちょっと前に観たフリーホラーゲームの実況で出てくる黒い化け物を思い出させた。孤児院で飢餓に苦し…

獅子渡り鼻

小野正嗣さんは小柄で白髪の茶目っ気のあるメガネの方で日曜美術館という番組で司会をされている。ちょっと前の放送でハンセン病で隔離された方々の絵画グループである金陽会の方を取材した際に感極まっていた姿が印象的だった。 物語に出てくる小野さんの故…

流浪の月

せっかくの善意を、わたしは捨てていく。そんなものでは、わたしはかけらも救われない。 本の帯にあった言葉。無理解から離れたい。無関心以上に「きっとこういうことがあったんでしょ?」という上から目線の無理解や同情にすり減らされる、絶望しそうになる…

サークルオブマジック 魔法学校再訪 氷の国の宮殿

シリーズ最後の四巻目。口では悪ぶるデイゴンがやっぱり頼りになる。相変わらずどんどん読んでしまった。読みやすいのと、やっぱりハラハラドキドキする。 ハラハラドキドキしつつ安心して読める。主人公が最後まで強いし頭がいい。多くを語らないキャラクタ…

明日の記憶

荻原浩さんの小説。最後のシーンがあまりにも淋しいような、それでいて多幸感に包まれているような。 人が記憶をなくしていくことは、元からなかったのではなく今まであったものがなくなっていくことは。 記憶が死んでいく様がまた、本人の主観としては若い…