雨上がりのメデジン

 カナダにいた際にコロンビアの人たちから、とても親切にしてもらった。コロンビアに関する本を読めばコロンビアのことが知れるだろうと思った。そう思って仙台市泉図書館2階の外国の本の棚を探した。スペインの本のあたりにスペイン語圏の本がまとまってあり、この本がコロンビアを舞台にしているということで借りることにした。

雨上がりのメデジン

 メデジンというのは人口二百万人以上のボゴダに次ぐコロンビア第二の都市だそうだ。主人公の男の子はカミーロという。カミーロのお父さんは飲んだくれで金がなくとも酒を持って家に帰ってくることをカミーロに要求したりする。アンドレスという親友がカミーロにはおり、彼はどんなときでもカミーロを一人にはしない。山の斜面の町に住む二人とその家族を通してコロンビアの社会問題が垣間見える物語。

 

 この本を通して触れたコロンビア関連のワードや出来事:

サント・ドミンゴサビオというバリオの地区、バリオ、アグアルディエンテ(お酒)、地下鉄のアセベド駅、メトロカブレというロープウェー、パタコン(熟していないバナナを油で揚げたもの)、スペイン公園図書館、コロンビアが五十年近く苦しんできたコロンビアの政府・反政府ゲリラの対立による武力抗争。

 

 親友である二人がどちらからともなくかけっこを始めたり、かけっこの勝敗が決まった後の敗者の勝者の認め方があったり、言葉を交わさなくとも通じ合える二人の様子がリアルに描かれていた。二人とも父親にいやな思いをしているが、それぞれのやり方で自分の境遇と戦っているようだった。最後カミーロがワーってなるところが良かった。

 

 山の斜面にある町を上り下りしている描写が多くある。実際の町の様子について以下のブログが多くの画像とともに紹介してくれていた。

メデジンのロープウェイ「メトロカブレ」から眺めるスラムの風景【コロンビア】

 

 パタコンは会話の中で一瞬出ただけだけど作ってみたいと思った。日本で甘くないバナナを手に入れるのは難しいから甘いバナナでいいから揚げてみたい。

 

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