トロントでのUber Eats(自転車配達)の話

 最近、「Uberはオワコンである。」という声が聞かれるようになりました。Uberの配達員が過剰に供給されすぎて特に自転車での配達員にいわゆるスリコ(スリーコインズ=300円の最安の配達。こっちで言ったら3$の配達がそれになるか)のリクエストが多く飛ぶようになっているそうです。

確かにけっこう稼げるバイトだったのが普通のバイトくらいまで落ちて来てるかも、と私も思うのですが土日に稼働するとまだまだ稼げる、とも思うのでオワコンというのも言い過ぎな気もします(日本はチップがほとんど発生しないそうなのでキツいのかもしれない)。

 

今回はカナダのトロントUberを始めて2か月ちょい経った私がトロントでのUberについて思うところを話そうと思います。

 

はじめにUberがどれくらい稼げるかについてですが、今週の私(2022/12/05~12/11)の稼働時間(オンライン時間)は21時間54分で稼いだ金額はCA$429.74でした(時給19.6CA$)。配達の総数は68件でピックアップした店から配達先までの各距離の総和は計算したところ127.3kmでした。実際は最後の配達を終えてから家に帰るまでの距離やその時いる場所からピックアップする店までの距離はこの計算に含まれてないので一週間で140~150kmくらいは自転車を漕いでいるかと思います。けっこう運動しているなあといった感じです。

 

上記の数字を見ると

Uber全然稼げんじゃねーか」

と思う方もいるかもしれないので平日と土日に分けた数字を紹介します。

平日(12/05~09): 稼働11.08時間、売上CA$174.39(うちチップ41.12)

土日(12/10~11): 稼働10.78時間、売上CA$255.35(うちチップ99.80)

こうしてみると私がほとんど土日に稼いでいることが分かると思います。実際、金曜日までは売上額があまり貯まらないので土日稼げなかったらどうしよう、と不安になることもけっこうあります。

また、土日に稼げる仕事のため、Uberだけでバイトをしている身だと土日を自由に使う、ということがあまりなくなってしまい、土日どっか行くということになりにくいのも悲しいところかもしれません。

Uberは週に一回売上額が口座に振り込まれる仕組みになっているので、カナダのバイト代は月に2回(2週間に1回程度)振り込まれることが多いですが、この点Uberはこまめに振り込んでくれて助かるところです。月~日の売上額がその次の火曜日に振り込まれます(カナダは火曜。日本は水曜と聞いたことがある)。

何か数字のことについてそんなに書く気はなかったのに、数字のことばかり書いて嫌になってきたのでUberをしてて思ったことを書いていこうと思います。

Uberやってると自転車に詳しくなるよ

トロントは道にいっぱい小石、砕けたガラス、時には金属のネジ、針みたいのが落ちてて私は一か月ほど前に自転車を人から買ったのですが、それからもう5回タイヤがパンクしてます。パンクすると自転車屋さんに行って修理してもらうので修理代が馬鹿になりません(何も言わずにflat tireを修理してもらうとCA$30くらいかかる。最近、いい自転車屋さんを見つけたので修理代も安くなったしチューブに刺さった細かい針を抜いてくれて根本的に直してもらえたりした)。

また、トロントは自転車の盗難がかなり多く、自転車を止める用の漢字の"中"を丸くしたようなやつが至る所にあるのですが、タイヤだけ持ってかれた自転車の残骸とかがいっぱいあります(なんちゅう街だ)。

ネットに落ちてた画像。これは中の字のじゃない止めるとこだけど
こんな風にタイヤを持ってかれた本体が至る所にある

こういう人たちは安い自転車ロックをワイヤーカッターで切って持ってっちゃったりもするので、私も以下のような金属のロックを買いました。

このモデルじゃないかもだけど。CA$55+税のやつを買った

安くてお気に入りの自転車屋。スタッフさんに主導してもらいながら自分も一緒に修理を手伝う。修理代はdonationという形になってて、いくら払うかを客側が決められる。チューブに空気を入れてどこから漏れてるか特定したり水を入れたバケツにチューブをくぐらせて細かい穴がないか確かめたり一緒にやれるのがいい。いいビジネスだ

Uberは自分との戦いだよ

Uberはいわば配達のフリーランスみたいなもので普通の仕事やバイトのように上司の方が存在しません。普通のバイトみたいにバイト先で友達ができたり、といったこともありません。ちょっとしたトラブルがあった場合はサポートに連絡することになっていて、それでだいたい解決するので問題なく働くことはできます。いつ働くのも別に働かないのも自由なので「シフトに穴を開けるのはヤバいことであるから駆り立てられるようにその時間帯に出勤しオートマチックに仕事は行われる」という人間の社会性というか本能を利用した駆り立てみたいなのがありません(強いて言えば土日が儲かるのでそれが駆り立てかもしれない)。また、お客さんとのやり取りや配達をどうすると(ほんの少しだけど)より良いサービスになるかを考えたりもできるので誰にも邪魔されずに一人で働くことに興味がある人は向いているかもしれません。

あと「Uberにはお世話になってるから安い配達だけど受けるか」と自分を安売りするのも「この距離でこの金額はナメてるとしか思えん。却下」とリクエストを断ったりするのも人間性がでるところのような気がして面白いです(あまり自分を安売りしない方が得するようにできてる気がするが安い配達を受けた後についでにこれもお願い、という形で高い配達が入ることもあるし、クエストというのが発生した時は安くても数こなした方が儲かる可能性もある)。

今日は雪が降ったため、配達員が少ないように感じた。配達員が少ないと配達を捌く人が減るため配達の単価が上がる、と言われているが実際今日は稼働時間の割に儲かった。どちらかというと儲からないリクエストを断ったところで、もっと割のいいリクエストが入ってくるので配達員側が有利になる、という側面がある気がする

Uberしてると街に詳しくなるよ

Uberが導くままに色んなところに配達することになるので、基本ゆっくり景色を見る暇はないですが、何となく街の地理に詳しくなることができます。飲食店に入るので自分が行ってみたい飲食店もできたりすると思います。

あとトロント中心部はタワマンが多いのですが、マンションの配達が最初は難しく、buzzコードを入力して配達先の方に入り口のドアを開けてもらったり、配達先の方がいない時に目的階に行くためにconciergeにエレベーターにキーをかざしてくれるよう対応してもらったり、配達したものの写メを撮って送ろうにもマンション内はネットが通じなかったり、とかマンションへの配達の面倒さも感じたりします。

配達しててこっちの人の庭は華やかだな、と思うことはよくある

日本のタワマンもそうなのか知らないけど絵画を飾ってるマンションがけっこう多い。
じっくり鑑賞する暇はないけど、何点も大きな絵を飾ってるマンションが割とある

personの複数形はpeopleだ、なんて言うけど"persons"って表記をエレベーターはじめ色んなところで目にする。何人までみたいなのを強調したい時にpersonsを使うのか、使い分けがよくわからん

最後に

Uberは足や目さえもてばお爺ちゃんになっても(電動なら足はそんな使わなくても)できる仕事なので年金もらいながらUberやれば十分老後はやっていけるんじゃないかなと思う。そのときまでにUberみたいなシステムが残ってるといい。

Uberのサポートの人たちは基本親切でアプリの地図のピンの位置が多少ずれることはあっても基本大まかな位置は合ってるので、初めての方も問題なく配達を始められると思いますよ。おしまい。